狙われし姫巫女と半妖の守護者
彼は地に手をついて悲痛に叫ぶ。
「だから、俺なんて守らなければよかったんだ」
叫び、力を失ったように崩れる体。
土へ憎らしげにつきたてられた黒い爪。
嘆くようにふりみだす翼。
自分のすべてを拒絶して、酷く震える背中。
悲しい彼。
全身でこんなにも激しい悲鳴をあげているのに、もう自分をイジメないで。
私は痛みも忘れて彼の肩にそっと触れた。
彼は嫌がって体が過敏に反応する。
でも私はなにをされてもはなさない。
「前からなんとなく気づいてたよ。紫希がなにかを隠そうとしてることには」
ただ震える紫希の肩を包む。
そして、強張って固まった翼に私は触れた。
また翼には力が入って、痛々しく暴れる。
紫希はかぶりを振って呻いていた。
噛みつきそうなうめき声が胸をさす。