狙われし姫巫女と半妖の守護者
いくつもの苔むした木々が重なり合う森の中で、突如浮かび上がったようなまっ白な海。
私たちは肩をそろえて見惚れていた。
「結い花だ……」
紫希の声が耳に舞い込む。
私はそのまっ白な海に釘づけになっていた。
光もないのに自らの光で、力強く青白い輝きを放つ。
そんな光景が視界の端から端まで広がっている。
まるで、白銀の雪世界。
あまりに無垢な光に、私は口をつぐまざるを得ない。
目の前に横たわる、誰も踏みしめることを許さない、まっさらな美しさ。
ひとつひとつの花が結晶のようにしっかりと煌めいて、皆で輝き合う。
わずかな風に揺れるたび、光がはじけ合う。
ただただあるがまま、白く煌めいている。
どこか重なり合う。