狙われし姫巫女と半妖の守護者
「お主ごときの力で、俺の妖力に勝てると思っているのか!?」
歯をむき出しにして力の出力をあげていく琴弥が目の前で罵声を浴びせる。
でも、私はこれでもかというほど全身の体重を刀にのせて、強く叫ぶ。
「あなたには屈しない!」
心から叫ぶ。
手をへし折られるような重さが絶えずかかり続けている。
油断すれば刀を飛ばされてしまう。
手の感覚がもうないほどだ。
これ以上の力もでない。
だけど、絶対に負けられない。
私の背中には、守りたい人たちがたくさんいるのだから。
私は苦しく歯を食いしばった。
しかしそんなとき、手にかかる力が不思議なくらい半減した。
気づけば私の手を覆う、大きな片手。
耳のそばから聞こえ来るのは、私に勇気を与える情熱に満ち満ちた声。