狙われし姫巫女と半妖の守護者
上空では、私たちと真逆に空が深い眠りについている。
どちらも静止して、息を止める。
その瞬間、琴弥は闇の中で俯き、囁いた。
「姫巫女よ。これがお前の出した答えか? こいつらは、昔から滅ぶべき存在ときめられているのだ。そしてこやつは、高貴な九条家の一生の恥。汚れきっているのだ。なのにお主はなぜ、半妖に組する……?」
闇に彼がとけこみそうになっていく。
そんな彼に、私は真っ向から想いをぶつける。
「半妖のなにがいけないというの? 私は、この村の人が大好きよ」
私はすべてを抱くように、やわらかい声を紡ぐ。
村のみんなが私の背中に熱い視線を注ぐ。
血に熱いものがほとばしる。
瞳を煌めかす。
私はたぎる胸から声を解き放つ。
「誰よりも深い愛を貫いて、悲しいことがあっても、涙を笑顔で輝かす、そんな人たちよ。あなたたちと違って、心の中に醜い壁なんてない! みんなが信じあい、助け合って生きているの」