狙われし姫巫女と半妖の守護者
想いが溢れて涙がこみ上げる。
そう、私は本当にこの村の人が好き。
だから想いは加速する。
「私の仲間は、優しく、強く、美しいのよ。汚れているなんて二度と言ったら、この私が許さない!!」
私の声が辺りに轟いていく。
琴弥のわきを固めていた烏天狗は後ずさり、木々までも揺れた。
私はそのまま、琴弥に鋭い眼差しをさす。
すると、琴弥は突然、体を揺らして笑いだした。
私は訝しんで彼を凝視する。
そうして彼は笑いをぴたりと止ませ、怒り狂って声を張り上げた。
「なにが、助け合う、だ。甘すぎる! 俺は一族の主。周りは敵だらけ。信じられるのは、地位と己の力だけだ。そんな甘いことを言っているやつらなど、滅べばいいのだ!!」
狂って響く琴弥の声に気圧される。
でも、私はその場に踏ん張り言い放つ。
「私はあなたのようには、絶対になりたくない。私はみんなと一緒に最後まで、私たちの正義を守り抜く」