狙われし姫巫女と半妖の守護者

ひとつ



*・*・*・*・*

運命というものが憎らしい。

恐怖は次第に怒りに変わり、私は刀を強く握りしめた。

背中で恐怖するどよめきが波のように広がっていく。

今も、大砲の中で私たちを狙う妖力があやしく光って脈動している。

私は下唇を噛んで、胸にこみ上げる悲しみをおさえつける。

苦しくて胸が張り裂けそうだ。

私は、こんな時になっても、力が使えないの?

いったい、なんのための姫巫女なの?

闇に染まった、美しいはずの草原に、悔しさのにじむ足を押しつけて、私は手をこまねいている。

私は、今すぐにでも叫びたかった。

この使い物にならない自分を、この身ごと投げ捨てたい。

なんで、私はお母さんみたいに強くなれないんだ……!

私は痛いほどにきつく瞼を閉じる。


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