狙われし姫巫女と半妖の守護者
箒を手にのそのそと枯葉や塵をはらっていく。
でも乾いた土からは埃が舞い上がり、私は眉をしかめて手で埃を払った。
「もう……」
悪態をつきかけて飲み込み、ちょっぴりスネて社を睨む。
柱は月日にむしばまれていてボロくさく、朱の塗装はくすみきっていて、我が家の神社にまた呆れた。
けれど私は、拝殿の奥に目をやり、吸い寄せられるように少しずつ近づいた。
賽銭箱の前から、薄暗い社の中を見上げると、中央には宙に漂う羽衣を纏った巫女の木像があった。
幼い頃からずっと見てきたのに、私は箒を両手で握りしめて真剣に見入る。
これはこの神社が代々守ってきたもの。
うちの神社が祀っている、姫巫女様だ。
木は年月によってすっかり黒ずんでしまっているけれど、ほっそりとした立ち姿はしとやかで、古風で日本的な顔では、切れ長の目が私を思わずドキリとさせた。
でも、重要なのはそこじゃない。