狙われし姫巫女と半妖の守護者
空は深い藍色。
なのにここは真昼のようにあたたかく、明るい。
煌めきすぎて眩しいくらいのそれぞれに違う笑顔の花が、無数に咲き誇っている。
仲間の笑顔。
私は、それが見られて幸せだ。
今でも夢みたいだよ。
「凛様、そんなところに突っ立ってないで、こっちにきて」
「この宴の大事な主役なんですから、はやくはやく!」
私はその声にハッとした。
みんなが私に笑顔の花を向け、元気よく手まねきしてくれている。
私の名を呼んでくれている。
私は胸が熱くなって立ち尽くす。
その笑顔が美しくて、仲間として呼んでくれるそのあたたかな手が嬉しくて。
つい、また涙がにじんだ。
「ほら、行ってこい。頑張った分、目いっぱい楽しんでこい」