狙われし姫巫女と半妖の守護者
そう言いながら、涙と笑顔が一緒に溢れた。
ただいまと口にするだけであたたかい。
ふたりの顔が涙で一気に涙で歪んでいく。
ただいまと言えることが、こんなに幸せなことだって、私は知らなかった。
「おかえり」
そして、大切な人たちが言ってくれるおかえりが、こんなにも幸せなことも知らなかった。
立ち上がった私は嬉しさのあまり、ふたりの手を握って、幸せをかみしめていた。
すると、真央がくすりと笑う。
「よかった。あの人のおかげで、私たちが凛を一番に迎えられて」
「えっ……」
無邪気の微笑んでそう言った真央に、私は目を丸くして声を漏らす。
「今朝、紫希くんが教えに来てくれたんだよ、凛が帰ってくるとね」
「凛はすごく頑張ったから、ふたりで迎えてほしいってね」
お父さんと真央が順番に言う。