狙われし姫巫女と半妖の守護者
「ねえ、紫希。私、やっぱ、紫希と会えなくなるのイヤだ。だから、私がいっぱい会いに行く!」
恥ずかしくてくすぐったい気持ちなのに溢れて止まらない。
難しいことなんか考えている暇はないんだ。
本当の気持ちは、なにがあっても抑えられない。
好きが溢れていく。
「だって、紫希のことが大好きなんだもん」
心臓がはしゃいで大きく跳ねる。
だって、言わなくてはもったいない。
めぐり合えたことが、いろんなことを乗り越えて生きている今が、奇跡みたいなのだから。
ありったけの想いを伝えよう。
ありったけの私を届けよう。
すると、彼はしょげたように、私の耳元でぶつぶつと呟く。
「なんでお前が全部言っちまうんだよ……。俺はお前の生活を考えて言ってるっていうのに」