狙われし姫巫女と半妖の守護者
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テレビには小難しい顔をしたキャスターが映っていた。
目の前には、口へ淡々とご飯を運ぶお父さん。
焦げ茶色の食卓には寒々しい蛍光灯の明かりが降り注いでいる。
箸が茶碗にぶつかる音が、こんなにも大きかったのかと思うほど鮮明に響いていた。
いつもはこんな感じじゃない。
最近答えるのが面倒になってきたけど、お父さんは学校はどうだと聞いてくるし、クイズ番組を見れば一緒に競い合っている。
やっぱり、お互いにまださっきのことを引きずっているんだ。
今は目を合わせることすら気まずくて、私は味もわからない速さでお味噌汁を喉へと流しこんだ。
こんなところにいたら酸欠になってしまう。
「ごちそうさま」
ガチャガチャと乱雑に食器を重ね、立ち上がるとお父さんの横を通り過ぎ、流しに食器を運んだ。
私はそのまま居間を出る。