狙われし姫巫女と半妖の守護者
人の気も知らないで、本当に呑気なもの。
夜の冷えた風がなだめるみたいに頬を撫でていく。
私はそんな星見たくもなくて、抱えた膝に顎をのせて小さく唸った。
あの烏天狗とかいう化物にも、あの変な着物の人にももう振り回されたくない。
巻きこんでいるくせに蚊帳の外にするあの人に対して、腹が立つ。
そりゃあ、守ってくれたかもしれないけど、私が無関係なわけないじゃない。
お父さんだって同じ。
私が知りたいことは教えてくれない。
もし、私が考えている悲しい答えだったら、耐えられそうにないけれど……。
このままでいいとは思えない。
でも、どっちも怖いことかもしれないんだよね……。
今度は自信をなくして、膝小僧に顔を埋めた。
さっきまで怒っていたくせに、すぐダメになる自分が嫌い。