狙われし姫巫女と半妖の守護者


小さい頃から変わっていない。

なにも言えずに、いじめっ子たちにひるんでいた。

勇気を出して立ち向かうなんて、私にはできない。

お父さんには最後まで問い詰めることができなかった。

着物のあの人がいなければ、私はあの化物に抵抗すらできなかった。

結局、なんにもできてない。

偉そうになんて、言えたものじゃない……。

なんだかこのまま消え入りたくなって、私は猫みたいに小さく丸まった。

「凛ちゃん。 こんなところでなにしてるの?」

突然した男の人の声に私はハッとして顔をあげる。

「雨宮おじさんこそ……」

石段の何段か下の方に、すらりと背の高い人影があった。

両手で段ボール箱を抱えた、スウェット姿の雨宮おじさんだ。

「お父さんと喧嘩したか?」


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