狙われし姫巫女と半妖の守護者
雨宮おじさんはため息交じりに微笑んだ。
私はばつが悪くて苦笑いしながら目を逸らす。
俯いたので見えないけれど、耳元で隣を駆けあがっていく音が確かに聞こえた。
「ちょっと待ってて。お父さんに近所でもらいすぎた野菜、おすそわけしてくるからさ」
なのに、雨宮おじさんはさりげなく優しい言葉を私の頭上に降らす。
だから私は顔もあげずに頷いた。
この押し付けるでもない優しさが、今の私には嬉しかった。
膝をギュッと抱え込んだまま、ひとりで夜空を見上げる。
鬱陶しかった星の瞬きをとらえながら、バカみたいに雨宮おじさんが戻ってくるのを待っていた。
そうして、随分と小さい星まで見つけ出した頃、ずっと後ろの方で和気あいあいとしたお父さんと雨宮おじさんの声が聞こえてきた。
私は手持無沙汰で石段を指でなぞりながら更に待つ。
するとやがて、すぐそばで声がした。
「お待たせ」