狙われし姫巫女と半妖の守護者
それでも私はまだ俯いた。
「でも……。詳しい説明はなしで、いいつけばかりきつくするんですよ。私は確かにこの神社が好きじゃないけど、今日なんて教えてもらおうとしてもはぐらかされた」
そして何よりも昔から気になってたのはこのこと。
「お母さんのことだって、昔からそう」
私はずっと、お母さんのことたくさん知りたかった。
そんな私の言葉に、雨宮おじさんは苦しげに瞼を伏せて片手を額に押し当てた。
「そうだな、確かに辛かったろう。だからって凛ちゃんのせいじゃないし、正信さんがそんなことを思うはずがない。涼子さんはいつも言ってたからな」
私はその名前に耳をそばだてた。
涼子は、お母さんの名前だ。
「俺は涼子さんがお姉さん的存在だって話はしたよね。俺、小学生の頃イジメられてて、上級生だった涼子さんに何度も助けられたんだよ」
雨宮おじさんは照れを隠せずに、いつもの癖でおでこをかいた。