狙われし姫巫女と半妖の守護者
「女の子なのに男子なんかすぐにケチらせる正義の味方みたいなすごく優しい人だった。そんな涼子さんが、太鼓判を押してたんだよ」
初めて見えてくるお母さんの姿。
落ち込んでいたのがウソのように、私は目を爛々と光らせた。
「正信さんはバカみたいな優しさと真面目さだけが最強の取り柄みたいな人だってね。俺は涼子さんを通して正信さんにも知り合ったんだ」
嬉しくて胸が高鳴っている。
やっと感じられた、お母さんの欠片。
「そうだったんだ。お母さんってかっこいい人だったんだね」
すぐに折れてしまいそうな私とは大違いだなと、心の中で苦笑する。
「そうだぞ。神社が大好きで、よく話もしてくれたよ」
雨宮おじさんは懐かしむように、遠くの星々を見つめていた。
その言葉に私はハッと思いだし、唐突に問いかけた。
「ねえ、じゃあ、あの鈴の紋章のことも知ってる?」