狙われし姫巫女と半妖の守護者
私はくいつくようにおじさんを眺め返答を待っていると、おじさんは何度か小刻みに頷いた。
「ああ、あれは確か、守り鈴だ」
「守り鈴?」
聞いたこともない名前を、私は繰り返して首を傾げた。
「その昔、姫巫女様が鈴を用いて地を清めたらしい。だから鈴は紋章となり、この家の名字にも鈴という字が残っているんだそうだ」
驚いて口は半開きのままだった。
慌てて口をおさえるけど、頭の中をその情報が駆け巡る。
鈴代っていううちの名字との関係、少しだって考えてもみなかった。
祀っている姫巫女様と、こんなにも深い関係があったなんて知らなかった。
「すごい詳しいね。私、姫巫女伝説すらよくわからないんだけど……」
なんにも知らない自分が情けなくて、不甲斐無さが口からこぼれ落ちる。
「それなら、学校の図書室に資料があるはずだ。結構有名な伝説だからな」