狙われし姫巫女と半妖の守護者
姫巫女伝説
*・*・*・*・*
終業のベルが鳴り響いている。
一日の授業が終わるのと同時に、カバンへ荷物を詰め込んだ。
雨宮おじさんに聞いたことを図書室で調べてみなくちゃ。
私は誰より先に席を立ち、教室を早く出ようと小走りになる。
「あっ、待ってよ、凛。一緒に帰ろうよ」
後ろから肩を叩かれて、もどかしい思いで足をとめた。
「今日は久しぶりにうちへ寄っていきなよ」
振り返れば、にんまりとした真央が私の肩のところからひょっこりと頭をはやしていた。
ファスナーも閉めていないカバンからは教科書の頭がぐちゃぐちゃにのぞいていているのが見える。
必死に追いかけてきてくれた真央からなんとなく視線を外し、私は苦し紛れの笑顔をつくる。
「あぁ、ごめん。今日は雨宮先生に頼まれごとされてて、それでいったん職員室に行かないと……」
親友の真央に対して、よくウソが出てきたものだ。