狙われし姫巫女と半妖の守護者
すぐにバレるんじゃないかと思って内心ドギマギしながら、真央の様子をこっそりうかがう。
「なら手伝うよ」
なんにも悩まずそう返してきた真央に私の心は大慌て。
焦って戸の敷居につまずいて転びそうになる。
「いやいや大丈夫だから! あの、また今度誘って、うん! じゃあね、真央!」
私はなんとか持ちこたえると、大袈裟に笑って言葉を押しつけて走りだす。
「もう! 今度は絶対だからね!」
すねた真央の叫び声が、後ろから飛んでくる。
私は微かに振り返って、ちょっぴり怒っている真央に大きく手を振った。
そしてほんの少し、胸の奥がずきっと痛むのを感じながら、真央からひたすらに遠ざかる。
やがて階段のある方へ折れ曲がると、やっと歩をとめて、ぎゅっと目を閉じ静かに胸へと手を当てた。
今はこうするのがきっと正しい。
真央をあんな得体の知れないものの危険にさらすわけにはいかないんだ。
私は、図書室へ向けてゆっくりと階段を上りだした。