狙われし姫巫女と半妖の守護者
最近、私は絶対ついてない。
あんなことはやらかすし、烏天狗とやらには狙われているみたいだし、お父さんはきっとなにか隠している。
そしてなにより、あの着物男はわけわかんなすぎて、イライラしそう。
私の日常がどんどんくずれていく。
友達と普通に笑いあって、家族とそこそこに仲良く暮らして、ただそんな普通な日々を送り続けたいだけなのに、なんで私が巻き込まれているの?
胸にはうっぷんがたまって、私は言葉で吐き出した。
「あぁ! もういい加減にしてよ!」
「えっと、ごめんなさい。あの、君、大丈夫?」
私の言葉に対して、すぐに返ってきた声。
眉間にしわを寄せ、しばし考える。
私ひとりのはずだよね?
フル回転の思考回路に、まっ赤な信号がともる。
私を九条くんが追いかけてきたのでは!?
「く、九条くん!?」
体にピンと針金が入ったみたいに、即座に正座して見上げた。
そこで、私の目は点になる。