狙われし姫巫女と半妖の守護者
しゃがみこんで私に手を差し伸べる栗色の髪の男子。
ブラウンがかった瞳が優しく私をとらえていた。
九条くんじゃない……。
「ごめんなさい、人違いして……。それと、さっきのはひとり言なので……、本当にごめんなさい」
失敗続きで俯き、丸まる私。
そんな私の顔の前にまた差しだされた大きな手。
「いいんだよ。立ち上がれる? 大丈夫?」
少しも気にとめていなさそうな、大人っぽい静かな声が降りかかる。
「はい、ありがとうございます」
そんな彼と一緒にすっくと立ち上がる。
隣で立ち上がる彼はクラスメイトの男子より背が高くて、私の目線じゃ制服の胸ポケットがやっと見えるくらい。
きっと上級生。
大人っぽくて、穏やかな人だな……。
「おい、なにやってる。行くぞ、七瀬」