狙われし姫巫女と半妖の守護者
そして、倉庫わきにうず高く積まれた鉄骨の上へと軽やかに登っていき私をそこに腰掛けさせる。
私は思わず身を縮めた。
足はぶらぶらと下がり、到底届かない。
地面までの距離は身長以上。
私の運動神経じゃ、飛びおりれない。
その前に、この人にとめられる。
これなら逃げられないでしょと余裕げに、烏天狗は胡坐をかいて隣に座っていた。
「俺も可哀想だよね~、兄貴に顎で使われてさ。まずはお姫様、守り鈴の在り処を白状してくれるかな?」
私に問いかける彼の瞳に怪しげな光が宿る。
そういえば、九条くんが言っていた。
雨宮おじさんも話していた姫巫女様の守り鈴。
それはまだ、見つかっていないのだと。
「そんなもの、私が知ってるわけないでしょ。この町の人たちだって知らないって聞いたわ!」
「それは困ったね」