※俺様甘々ご主人様にご注意下さい。
「お願い……もうちょっとだけ……」
「…………」
どうだ!
「これは……マズイな。」
ま、マズイ!!?
私が気持ち悪いってこと!?
「ご、ごめ……」
私はパッと裾をつかんでいた手を離し、
奏と距離をとった。
「……お前、それ、他の男にやるなよ?」
「え、なんで?」
「いいから。」
解せないまま、奏はまた歩き出した。
「ど、どこ行くの?」
「あれ。」
奏が指差した先には、
『恋人たちのためのイルミネーション』
と書かれたポスターが貼ってあった。
「イルミ!?」
「そ。
あれ16:00からだから、ちょっと見てから帰ろーぜ。」
「うん!」
「それまでカフェで話すぞ。
着いてこい、ポチ。」
「うんっ」
私は満面の笑顔で奏の後を追った。