※俺様甘々ご主人様にご注意下さい。




「もしも」

黒い服


「さくらが」

線香の香り


「お母さんたちみたいに」

その温もりを求めて触れても


「いなくなってしまったら……」

もう

冷たい。





嫌な記憶。



なんで楽しかった思い出よりも

一番つらい思い出ばかり思い出すの?
























「大丈夫。」













ふわっと広がる奏の匂い。



「さくらはお前を置いてったりしない。」



奏は子供をあやすみたいに私の髪を優しく撫でた。




「大丈夫だよ。」



なんで

こんなに安心するんだろう……。



奏は私のまぶたにキスを落とし、

今まで見たことがないくらい優しく笑った。





< 210 / 304 >

この作品をシェア

pagetop