※俺様甘々ご主人様にご注意下さい。
「もしも」
黒い服
「さくらが」
線香の香り
「お母さんたちみたいに」
その温もりを求めて触れても
「いなくなってしまったら……」
もう
冷たい。
嫌な記憶。
なんで楽しかった思い出よりも
一番つらい思い出ばかり思い出すの?
「大丈夫。」
ふわっと広がる奏の匂い。
「さくらはお前を置いてったりしない。」
奏は子供をあやすみたいに私の髪を優しく撫でた。
「大丈夫だよ。」
なんで
こんなに安心するんだろう……。
奏は私のまぶたにキスを落とし、
今まで見たことがないくらい優しく笑った。