※俺様甘々ご主人様にご注意下さい。
さよなら。
あの日もそうだった……
私は昔から雨が割と好きだった。
音とか、
涼しさとか、
雨が舞い上げるホコリの独特の匂いとか。
でも
なぜか
お母さんとお父さんが事故に遭ったと聞き、
病院への道のりをさくらと走っていたとき
だけは
雨が
『二人はもう生きていない』
と言っているように感じた。
それから
じめじめした空気とか、
耳障りな音とか、
汚い水溜まりとか、
独特な匂いとか、
雨にまつわるいろんなものが
私のかんにさわるようになった。