※俺様甘々ご主人様にご注意下さい。
俺様甘々ご主人様にご注意下さい。




ーー約1年後








「う……うぅ……奈央、優花……」


「ありゃりゃ。また栞奈のべそが始まった……。」


よしよし、と頭を撫でてくれる優花。



「そんなに泣くなら栞奈から電話すればいいじゃない。」


さも当たり前、という風に言う奈央。




「でもでも、だってだって!」




私がなぜこんなにも泣いているのかというと……



「奏ってば、電話しても素っ気ないし、

忙しそうなのに申し訳ないんだもん……。」



もちろん奏のこと。


ただいま昼休みの教室。




「でも帰国の予定の日から1ヶ月も過ぎてるんでしょ?」


「うん……っ、うぅ…やっぱ私嫌われて……」


「あー、もー!

栞奈はネガティブ過ぎ!

執事の人が予定より遅れてる、って連絡来たって言ってたじゃん!」


と、奈央が一蹴した。






「きっと予定だけじゃ満足できなくなったんだよ。

私といるよりも、アメリカにいる方が楽しくなっちゃったのかも……」



自分でもビックリするくらい次から次へとネガティブな理由が浮かぶ。






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