※俺様甘々ご主人様にご注意下さい。





「「「けっ……!!」」」












!!?





教室が絶叫に包まれる中を、

奏は私を抱えたまま後にした。




「え、え……奏っ……??」



「何テンパってんの?

アメリカ行く前約束したろ?

ま、あの指輪付けてないみたいだけど。」




奏の声のトーンが下がったので、

私は慌てて制服の中からネックレスを出した。




「ば、バカ!付けてないわけないじゃん!」



私を見て、奏が安心したように笑うから、

今まで連絡なかったこととか、

そんなちっちゃいことどうでもよくなった。





「歩いて。重い。」


奏は私を地面に下ろした。


「奏が急に担ぎ上げたくせに。」


「ハハッ、こっち、来て。」



可愛い笑顔……。



ああもう、悔しいな。



『来い』じゃなくて『来て』って言ってくれたこととか、

いちいちキュンッてする。




私は何も言えないまま奏のあとに続いた。






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