恋愛実験室〜君と僕、ナイショの関係〜
【Act.0】30歳目前、人生の転機
人生色々、とはよく言ったもんだ。
ドラマでは見た事があるけれど、
まさか自分の身に降り掛かるとはー
【辞令 佐木 奈保美
報道部から婦人情報部へ異動】
奈保美「……」
社員「奈良先輩、"報道部"のエリート記者だったのに」
社員「何かあったのかな…」
ヒソヒソと話す社員たち。
その視線は、決して気持ちのいいものではない。
なぜなら、この異動は明らかな左遷だからだ。
報道部は、社内で売上No1を誇る通称『エリート部』で、
私はそこで7年も記者を続けていた。
(それなのに…)
その場に立ち尽くしていると、後ろから肩をポンと叩かれた。
そこに立っていたのは…
奈保美「部長……」
西条「佐木くん、新天地でも頑張ってね。期待してるよ」
西条理、35歳。
エリート部の若手部長で、手段を選ばない主義だ。
そして、今回私を異動させた、張本人でもある。
あれは1週間前のこと……
********************
(ダメだ、さすがに徹夜2日目はキツすぎる…)
(少し仮眠をとってから原稿あげよう)
あの日は校了前で、仮眠をとるために、会議室へ向かった。
(…鍵が開いてる。誰か居るのかな)
ドアの隙間から中をのぞくと、揺れる人影が見えた。
(あれって、社長夫人…どうしてここに?)
不思議に思っていると、社長夫人は誰かに抱きしめられた。
そしてその男と口づけを交わしー
奈保美「…っ!!」
男と目が合った。
その男は、見せつけるようにこちらを見て不適に微笑む。
私は、声を出さないように口を抑え、急いでその場を立ち去った。
********************
西条「君は悠集な記者だったよ。すぐにスクープを取ってくるし」
「…でも、いらないものまで見てしまったようだね」
あの日と同じように、不適に微笑み、去っていく西条部長。
(やっぱりあの時、部長は私が見たって気づいてたんだ…)
婦人とキスをしていた男とは、西条部長だったのだ。
スキャンダルを恐れて、私を左遷したのだろう。
私は、唇を噛みながら異動先へと向かった。
ドラマでは見た事があるけれど、
まさか自分の身に降り掛かるとはー
【辞令 佐木 奈保美
報道部から婦人情報部へ異動】
奈保美「……」
社員「奈良先輩、"報道部"のエリート記者だったのに」
社員「何かあったのかな…」
ヒソヒソと話す社員たち。
その視線は、決して気持ちのいいものではない。
なぜなら、この異動は明らかな左遷だからだ。
報道部は、社内で売上No1を誇る通称『エリート部』で、
私はそこで7年も記者を続けていた。
(それなのに…)
その場に立ち尽くしていると、後ろから肩をポンと叩かれた。
そこに立っていたのは…
奈保美「部長……」
西条「佐木くん、新天地でも頑張ってね。期待してるよ」
西条理、35歳。
エリート部の若手部長で、手段を選ばない主義だ。
そして、今回私を異動させた、張本人でもある。
あれは1週間前のこと……
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(ダメだ、さすがに徹夜2日目はキツすぎる…)
(少し仮眠をとってから原稿あげよう)
あの日は校了前で、仮眠をとるために、会議室へ向かった。
(…鍵が開いてる。誰か居るのかな)
ドアの隙間から中をのぞくと、揺れる人影が見えた。
(あれって、社長夫人…どうしてここに?)
不思議に思っていると、社長夫人は誰かに抱きしめられた。
そしてその男と口づけを交わしー
奈保美「…っ!!」
男と目が合った。
その男は、見せつけるようにこちらを見て不適に微笑む。
私は、声を出さないように口を抑え、急いでその場を立ち去った。
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西条「君は悠集な記者だったよ。すぐにスクープを取ってくるし」
「…でも、いらないものまで見てしまったようだね」
あの日と同じように、不適に微笑み、去っていく西条部長。
(やっぱりあの時、部長は私が見たって気づいてたんだ…)
婦人とキスをしていた男とは、西条部長だったのだ。
スキャンダルを恐れて、私を左遷したのだろう。
私は、唇を噛みながら異動先へと向かった。