夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~
「は、はい!!」
私は勢い良く、立ち上がった。
きっと顔は、りんご飴のように真っ赤で、
みんなに私の気持ちがバレたかも知れない。
「お!じゃあ、神山、一緒によろしく!」
相川君は、手招きして私を呼んだ。
名前、覚えててくれた。
今日は、名札付けてないのに…
「浴衣っていいね~。その色似合ってんじゃん!」
相川君は、チラっと私の浴衣に視線を移し、笑った。
淡いすみれ色に金魚が泳ぐ、安物の浴衣。
相川君が褒めてくれた。
きっと、来年も再来年も
ずっとこの浴衣を私は着続けてしまうだろう。