夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~

「は、はい!!」


私は勢い良く、立ち上がった。


きっと顔は、りんご飴のように真っ赤で、

みんなに私の気持ちがバレたかも知れない。




「お!じゃあ、神山、一緒によろしく!」



相川君は、手招きして私を呼んだ。


名前、覚えててくれた。


今日は、名札付けてないのに…


「浴衣っていいね~。その色似合ってんじゃん!」



相川君は、チラっと私の浴衣に視線を移し、笑った。



淡いすみれ色に金魚が泳ぐ、安物の浴衣。



相川君が褒めてくれた。



きっと、来年も再来年も

ずっとこの浴衣を私は着続けてしまうだろう。





< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop