夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~
「どう?仕事。少し慣れた?」
相川君は、歩きにくい私の下駄を気にして、
ゆっくりと歩いてくれた。
こんな風に2人きりになるのは初めてだった。
早すぎる集合で、まだ辺りはぼんやりと明るかった。
そのおかげで、
私は相川君の左の首筋にほくろがあることを知った。
「はい!まだまだ仕事はできないけど、毎日楽しいです。」
その後に続く言葉は言えなかった。
…相川君のおかげです、ってね。