夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~
じゃり道のせいで、
私は何度もつまずきそうになった。
右にいる相川君を目に焼き付けたくて、何度も何度も見た。
見るたびに違う表情を見せてくれて、
私の中の『相川君コレクション』がどんどん増えていく。
「一緒に来てくれたお礼に何かおごるよ。何食いたい?」
気が付くと、もう夜店の並ぶ道に辿り着いていた。
「クレープ食べたいです!」
大好物のクレープは、
夜店に来るたびに必ず食べる私の定番スイーツ。
偶然にも目の前にクレープ屋さんがあり、
相川君はその列に並んだ。
「何にする?いちご?やっぱり、バナナだろ?」
相川君は、子供のようにはしゃいで、
クレープのメニューを見ていた。
こんな相川君見たことない。