夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~
第4章~花火が結んだ恋~
フランクフルトのお店を見つけた相川君は、
小走りでその列に向かいながら、
振り向いて私を呼んだ。
「神山、早く来い!」
「待ってくださーい、相川君!」
焼けているフランクフルトは
相川君の前の人でなくなってしまった。
ガッカリする相川君の隣で、私は嬉しくてニヤけた。
「指輪は、なし…か。」
相川君は私の手を見て、呟いた。
どういう意味だろう…
フランクフルトを2本持った私。
今、こけたら確実に顔面大ケガだよね。
片手に2本、もう片方に1本持った相川君は、その1本にかじりつく。