夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~
みんなの場所へ戻ると、
もうすっかり出来上がっていて、
赤い顔した上司が頭にネクタイを巻いていた。
ビニールシートの真ん中に置かれたお酒の山の中には、
まだピーチのカクテルが2本残っていた。
「俺、これもーらい!俺の好きな酒じゃん!」
相川君は、私の大好きなピーチのお酒を嬉しそうに手に持った。
私もすぐにもう1本の瓶に手を伸ばす。
恵美は小さくガッツポーズをして、大きな声で言った。
「相川さん、それ、彩が選んだんです!彩のお気に入りのカクテルなんですよ!」
恵美の声に、相川君はフタを開ける手を止めた。