夏の夜に咲く恋花火 ~夏祭り~
「マジ?彩って神山?サンキュー!いただきます!」
少し離れた場所から相川君が私を見た。
目で会話って言うのかな。
目と目で…乾杯、みたいな感じ。
甘くて、ほんのり苦いピーチの香りが広がった。
今、相川君と同じ口の中の味なんだぁ。
ドーーーーーーーーン!!
一発目の花火が打ち上げられて、
みんなは一斉に空を見上げた。
さっきまで明るかった空はもう暗くなっていた。
みんなは花火を見上げていた。
私は…
斜め右横にいる相川君を見ていた。