アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
まだ雪が溶けない歩道。
思わず昨日の出来事を思い出す。
交差点の遥か向こうに、イベント会場だった歩道橋が見えた。
其処に灯りがを見えたように思えた。
私と水野先生を結ぶ希望の灯。
あのクリスマスイブの日には見えなかった、未来へと繋がる光が。
あのキャンドルのようにまだ小さいけど……
風が吹けば消されてしまうほど弱々しいけど……
駅の改札口の近くで水野先生は、二人分の切符を手にして待っていた。
(――えっ!?)
私は一瞬戸惑った。
だって、先輩方にもし出会ったらただじゃ済まないと思ったからだ。
でも水野先生は、私を見つけるとすぐ傍に来て手を引いて改札口に向かった。
(――ヤバい!!)
私は思わず絶句した。
目だけ動かしながら、周りの状況を見ていた。
幸いなことに……
それらしき人影はなかった。
それでもドキドキは収まらない。
私は水野先生の大胆な行動が嬉しいくせに、物凄く困惑していた。
電車を待ちながら水野先生を見ると、泣いているように思えた。
「先生……」
水野先生は、私の言葉にハッとしたのか慌てて涙を拭った。
「あ、ごめん。色々と考えていたから。佐々木に逢ったら何て言おうかと」
「……」
私は又……
水野先生の優しさに、泣き出しそうになっていた。
思わず昨日の出来事を思い出す。
交差点の遥か向こうに、イベント会場だった歩道橋が見えた。
其処に灯りがを見えたように思えた。
私と水野先生を結ぶ希望の灯。
あのクリスマスイブの日には見えなかった、未来へと繋がる光が。
あのキャンドルのようにまだ小さいけど……
風が吹けば消されてしまうほど弱々しいけど……
駅の改札口の近くで水野先生は、二人分の切符を手にして待っていた。
(――えっ!?)
私は一瞬戸惑った。
だって、先輩方にもし出会ったらただじゃ済まないと思ったからだ。
でも水野先生は、私を見つけるとすぐ傍に来て手を引いて改札口に向かった。
(――ヤバい!!)
私は思わず絶句した。
目だけ動かしながら、周りの状況を見ていた。
幸いなことに……
それらしき人影はなかった。
それでもドキドキは収まらない。
私は水野先生の大胆な行動が嬉しいくせに、物凄く困惑していた。
電車を待ちながら水野先生を見ると、泣いているように思えた。
「先生……」
水野先生は、私の言葉にハッとしたのか慌てて涙を拭った。
「あ、ごめん。色々と考えていたから。佐々木に逢ったら何て言おうかと」
「……」
私は又……
水野先生の優しさに、泣き出しそうになっていた。