アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
会い(あつまる)・綾
翌日。私は水野先生の家を訪れていた。
私のサポートとして、清水さんも同席してくれることになった。
その家は、御殿のようだった。
どうやら水野先生の家は由緒正しい家系らしい。
緊張で胸が震える。
足も、膝と膝が小刻みに動いている。
私は玄関に入る前から限界だった。
(もうダメだ……)
目眩を起こしそうになり、清水さんに凭れ掛かった。
ふと、電車内の会話を思い出した。
『源氏って、凄い勢いだったんですね』
壇ノ浦の後の平家の衰退。
散り散りで逃げた人々。
そんなことをあれこれ想像していたら……
『実は俺の先祖は源氏側だったんらしいけどね』
そう言った、水野先生。
(あの時私は言葉を失ったんだ。先生は本物の王子様かも知れない……)
私は不安に怯えていた。
エントランスは大理石らしい。
良く見ると、アンモナイトの化石もチラホラある。
私は益々緊張した。
靴を脱ごうとした。
でもみんなそのままで上がる。
(えっ!? 土足で良いの?)
私は慌てて学校指定の革靴の底を見た。
幸いなことに、余り汚れてはいなかった。
振り返ると門から庭一面に芝生があった。
(此処まで歩いて来る内に泥が落ちたのかな?)
そんなこと思いながら躊躇していたら、水野先生が優しくエスコートしてくれた。
「リラックス」
清水さんが小さなガッツポーズで応援してくれた。
私は深呼吸しながら、そっと二人に寄り添った。
私のサポートとして、清水さんも同席してくれることになった。
その家は、御殿のようだった。
どうやら水野先生の家は由緒正しい家系らしい。
緊張で胸が震える。
足も、膝と膝が小刻みに動いている。
私は玄関に入る前から限界だった。
(もうダメだ……)
目眩を起こしそうになり、清水さんに凭れ掛かった。
ふと、電車内の会話を思い出した。
『源氏って、凄い勢いだったんですね』
壇ノ浦の後の平家の衰退。
散り散りで逃げた人々。
そんなことをあれこれ想像していたら……
『実は俺の先祖は源氏側だったんらしいけどね』
そう言った、水野先生。
(あの時私は言葉を失ったんだ。先生は本物の王子様かも知れない……)
私は不安に怯えていた。
エントランスは大理石らしい。
良く見ると、アンモナイトの化石もチラホラある。
私は益々緊張した。
靴を脱ごうとした。
でもみんなそのままで上がる。
(えっ!? 土足で良いの?)
私は慌てて学校指定の革靴の底を見た。
幸いなことに、余り汚れてはいなかった。
振り返ると門から庭一面に芝生があった。
(此処まで歩いて来る内に泥が落ちたのかな?)
そんなこと思いながら躊躇していたら、水野先生が優しくエスコートしてくれた。
「リラックス」
清水さんが小さなガッツポーズで応援してくれた。
私は深呼吸しながら、そっと二人に寄り添った。