アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
次に両親は何故僕があの島に捨てられたのかを話してくれた。
「その後で出会った男性に多額の借金があり、誘拐を企てたようです。どうせなら、主人を苦しませようとして私を付け狙っていたようです。私の単なる言い訳に過ぎませんが……」
「いえ、それがきっと答えです。何故あの島に放置されたのかは解りませんが……警察の調べでは知人に長距離トラックの運転手がいて、荷台で運ばれたのではないなかと言ってました」
「でもこの子が波瑠さんにキスをした時、あの島で良かったと思いました。この子、あの方の言う通り波瑠さんにゾッコンみたいですね」
「うん、そうだよ。僕は清水さんが大好きなんだ。だから辛かった。少年院にいることが辛かった」
「その少年院ですが、十六歳未満の犯罪者は少年刑務所に入るのではなく此処に入れられる場合もあるらしいのです。それは少年院収容受刑者と言われているそうです。だからこの子はきっと余計に目立ったのでしょう。酷いリンチも受けたようです」
「少年院には水泳大会なんてのもあって、皆で練習するんです。シンクロの練習中にプールの水の中に頭から突っ込まれ……でもそのお陰で母に殺されかけたことを思い出しました。その話と、あの映像が一致したのです」
「この子はその時、父親を殺したことを知らされました。腐れ縁とでも言いますか、二人はずっと一緒だったようです」
「誘拐した後も一緒だったようです。暫くはそれでも良かったようですが、又借金を重ねたそうです。その挙げ句、夫を殺して保険を取ろうとして……」
母は遂に泣き出した。
「偶々上野駅でこの子を見つけ付け狙って。自分が母親だと名乗ったそうです。その夜、眠ったこの子にナイフを握らせて夫を刺して殺したのです。勿論指紋はこの子のだけです。だからこの子は児童相談所で保護されていました」
「『ギャー!!』って声で目が覚めた時、僕はナイフを握らせさてられていました。その後で連行されたです」
「この子はその時十三歳でした。十四歳未満の子は逮捕されないけど、児童相談所扱いになるのです」
「その後で出会った男性に多額の借金があり、誘拐を企てたようです。どうせなら、主人を苦しませようとして私を付け狙っていたようです。私の単なる言い訳に過ぎませんが……」
「いえ、それがきっと答えです。何故あの島に放置されたのかは解りませんが……警察の調べでは知人に長距離トラックの運転手がいて、荷台で運ばれたのではないなかと言ってました」
「でもこの子が波瑠さんにキスをした時、あの島で良かったと思いました。この子、あの方の言う通り波瑠さんにゾッコンみたいですね」
「うん、そうだよ。僕は清水さんが大好きなんだ。だから辛かった。少年院にいることが辛かった」
「その少年院ですが、十六歳未満の犯罪者は少年刑務所に入るのではなく此処に入れられる場合もあるらしいのです。それは少年院収容受刑者と言われているそうです。だからこの子はきっと余計に目立ったのでしょう。酷いリンチも受けたようです」
「少年院には水泳大会なんてのもあって、皆で練習するんです。シンクロの練習中にプールの水の中に頭から突っ込まれ……でもそのお陰で母に殺されかけたことを思い出しました。その話と、あの映像が一致したのです」
「この子はその時、父親を殺したことを知らされました。腐れ縁とでも言いますか、二人はずっと一緒だったようです」
「誘拐した後も一緒だったようです。暫くはそれでも良かったようですが、又借金を重ねたそうです。その挙げ句、夫を殺して保険を取ろうとして……」
母は遂に泣き出した。
「偶々上野駅でこの子を見つけ付け狙って。自分が母親だと名乗ったそうです。その夜、眠ったこの子にナイフを握らせて夫を刺して殺したのです。勿論指紋はこの子のだけです。だからこの子は児童相談所で保護されていました」
「『ギャー!!』って声で目が覚めた時、僕はナイフを握らせさてられていました。その後で連行されたです」
「この子はその時十三歳でした。十四歳未満の子は逮捕されないけど、児童相談所扱いになるのです」