アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
逢い(おもいがけずにめぐりあう)・綾
何時の間にか……
渋谷は様変わりしていた。
お目当てのCDショップが見つからないのだ。
ちょっと来ない間に、大手のチェーン店が相次いで閉店していたのだ。
「えー!? 結局私は何のために?」
母が突拍子のない声を上げる。
(私が言いたいよ……。何よ此処でそんな声出さなくても……)
シュンとした自分が情けなくなる。
私は一体、何をしに此処に来たのだろう?
公園通り。
文化通り。
歩き疲れた私は、センター街で途方に暮れていた。
結局。
新宿の柏木公園近くの、ビジュアル系のCDショップに寄っていた。
其処位しか思い付かなかった。
でも母はもう一軒寄ると言い出した。
確かに以前と比べると少ない。
売れなくなっているのは確かだ。
携帯からのダウンロードが主流だから。
でもその携帯も、スマートフォンに移行している。
世の中の流れを感じた。
でも、私はその流れにも乗れてない。
『高校生に携帯なんかは要らない』
そう父に言われたから……
どんなに欲しくても持てないんだ。
アンケート調査の結果、学校内でただ一人だったらしい。
(そりゃ、そうだろう)
その数字を見て思った。
私の通っているのは女子高なのだ。
小中学生とは違い、遠距離通学中何が起こるか解らない。
心配だから持たせるのだ。
でも、その表を見せても父は動いてくれなかった。
だから諦めた。諦めざるを得なかったんだ。
渋谷は様変わりしていた。
お目当てのCDショップが見つからないのだ。
ちょっと来ない間に、大手のチェーン店が相次いで閉店していたのだ。
「えー!? 結局私は何のために?」
母が突拍子のない声を上げる。
(私が言いたいよ……。何よ此処でそんな声出さなくても……)
シュンとした自分が情けなくなる。
私は一体、何をしに此処に来たのだろう?
公園通り。
文化通り。
歩き疲れた私は、センター街で途方に暮れていた。
結局。
新宿の柏木公園近くの、ビジュアル系のCDショップに寄っていた。
其処位しか思い付かなかった。
でも母はもう一軒寄ると言い出した。
確かに以前と比べると少ない。
売れなくなっているのは確かだ。
携帯からのダウンロードが主流だから。
でもその携帯も、スマートフォンに移行している。
世の中の流れを感じた。
でも、私はその流れにも乗れてない。
『高校生に携帯なんかは要らない』
そう父に言われたから……
どんなに欲しくても持てないんだ。
アンケート調査の結果、学校内でただ一人だったらしい。
(そりゃ、そうだろう)
その数字を見て思った。
私の通っているのは女子高なのだ。
小中学生とは違い、遠距離通学中何が起こるか解らない。
心配だから持たせるのだ。
でも、その表を見せても父は動いてくれなかった。
だから諦めた。諦めざるを得なかったんだ。