アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
『この玩具何。処から持って来たの!?』
お友達のお母さんが怒鳴っていた。
私は怖くなって、自分の玩具を隠していた。
何故そうしたのかは解らない。
ただ何となく怖かったのだ。
おばさんは母に事情を聞くために詰め寄った。
でも母が知る訳がない。
私の手に玩具も無いと知ると、おばさんはお友達に手をあげようとした。
私は思い余って、お友達を庇った。
仕方なく隠した玩具を持って来る。
私のおどおどした態度は、おばさんの目を輝かせていた。
してやったりと言いたそうな顔をして、おばさんは私を見ていた。
『見た。悪いのはこの子よ。でも私は家の子が許せない』
おばさんはそう言うと、お友達を連れて家に戻って行った。
そして私には万引き犯と言うレッテルが貼られた。
『申し訳ありません。以後気をつけます』
母はコンビニに行ってお金を払った。
本当の値段は一つ三百九十八円だった。
その二つ分を……
その頃母はマイホームの資金作りのために、節約に節約を重ねていた。
だから朝玩具を買わなかったのだ。
それなのに私が玩具を持って帰ったばっかりに……
母にとって痛い出費となったのだった。
おばさんは、その警察に行くと言う。
お店の物を持ち帰ったのは事実だから、正直に話そうと思うと言った。
『正義感に溢れた人だね』
母はそう言った。
お友達のお母さんが怒鳴っていた。
私は怖くなって、自分の玩具を隠していた。
何故そうしたのかは解らない。
ただ何となく怖かったのだ。
おばさんは母に事情を聞くために詰め寄った。
でも母が知る訳がない。
私の手に玩具も無いと知ると、おばさんはお友達に手をあげようとした。
私は思い余って、お友達を庇った。
仕方なく隠した玩具を持って来る。
私のおどおどした態度は、おばさんの目を輝かせていた。
してやったりと言いたそうな顔をして、おばさんは私を見ていた。
『見た。悪いのはこの子よ。でも私は家の子が許せない』
おばさんはそう言うと、お友達を連れて家に戻って行った。
そして私には万引き犯と言うレッテルが貼られた。
『申し訳ありません。以後気をつけます』
母はコンビニに行ってお金を払った。
本当の値段は一つ三百九十八円だった。
その二つ分を……
その頃母はマイホームの資金作りのために、節約に節約を重ねていた。
だから朝玩具を買わなかったのだ。
それなのに私が玩具を持って帰ったばっかりに……
母にとって痛い出費となったのだった。
おばさんは、その警察に行くと言う。
お店の物を持ち帰ったのは事実だから、正直に話そうと思うと言った。
『正義感に溢れた人だね』
母はそう言った。