アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
 おばさんが解ってくれたかどうかは知らない。
でも又二人は遊べるようになった。


私達は保育園で同じクラスだった。

だから本当に嬉しかっのだ。




 それはある日の午後。
お友達の家に遊びに行くと猫がいた。
前足の先が黒ずんで、耳の先も同じようだった。


『迷子の猫を預かっているの』
お友達はそう言っていた。




 その日。
母が迎えに来た。


『シャム猫のようだね』
そう母は言った。


『あのね。ママが迷子の猫だって言ってたの。飼い主が現れたら返すんだって言ってたよ』

その子はハッキリとそう言った。




 結局その猫は、近所の家の飼い猫だった。


翌日。
地域に一つだけある公園で遊んでいると子猫が出てきた。


その猫は昨日お友達の家で見た猫にソックリだったのだ。


『あらあの猫?』
母も気付いたようだった。


『もしかしたら、同じような猫が居なくなっていませんか?』

そう、その家の人に母は聞いた。


『そうなの、一匹居なくなったの。ずっと探しているんだけど見つからなくて』


親戚の子供がその猫が大好きで、どうしても欲しいと言われて引き渡すことになっていたと言った。




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