アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
遭い(めぐりあう)・綾
「おい清水」
背後からいきなり声が掛かった。
(ん!? おいとは何だ!)
そう思いながら振りかえると……
一瞬声を失った。
(やべー! ちょーイケメン!!)
其処に居たのは、濃紺のスーツにサラサラヘアの一見真面目そうな男性だった。
目鼻立ちはキリリとして、顎のラインはすっきりしてる。
まるでリクルートスーツモデルそのもの。
表情は堅く……
それでいて柔らかい……
(えっー!? 何なんだ此奴?)
その甘いマスクに私は戸惑いを隠せなかった。
カタログの表紙から抜け出したような清々しさは、私の鼓動を早くする。
目が点になる。
素直に格好いいと思った。
「おい清水。なあ、どっかで会った事ねえか?」
(何だよー! ただのナンパか……。って……此処女子高なんだけど……。それに清水じゃねえし……。その上、いきなりおいときてる。アンタは一体何者なんだ?)
本当は……
胸がキュンキュンして、ドキドキが止まらない。
私はそれを悟られまいとして身構えた。
「あのー、勘違いしてません? 私清水じゃ」
私が言おうとしたらその人は指先を足元に向けた。
「そのピンクのバレーシューズは?」
私は自分の上履きを見て愕然とした。
「あっ……シミズ……」
私は自分の隣のシューズボックスから、清水にさんの上履きを間違えて履いてきてしまったのだった。
思わずカーっとなる。
まるで頭から湯気が出ると言うか……
顔から火が吹き出ると言うか………
(やべー、きっとちょう顔真っ赤!?)
私は慌てて下駄箱入れに戻った。
顔に手を当ててみると、熱を帯びていた。
でも幸いなことにまだ清水さんは来ていないようだった。
(やっぱり。やべーなー、どないしょー)
「はー。佐々木って言うんだ。俺は水野。教育実習生だ、宜しくな」
でも水野先生は普通に接してくれていた。
背後からいきなり声が掛かった。
(ん!? おいとは何だ!)
そう思いながら振りかえると……
一瞬声を失った。
(やべー! ちょーイケメン!!)
其処に居たのは、濃紺のスーツにサラサラヘアの一見真面目そうな男性だった。
目鼻立ちはキリリとして、顎のラインはすっきりしてる。
まるでリクルートスーツモデルそのもの。
表情は堅く……
それでいて柔らかい……
(えっー!? 何なんだ此奴?)
その甘いマスクに私は戸惑いを隠せなかった。
カタログの表紙から抜け出したような清々しさは、私の鼓動を早くする。
目が点になる。
素直に格好いいと思った。
「おい清水。なあ、どっかで会った事ねえか?」
(何だよー! ただのナンパか……。って……此処女子高なんだけど……。それに清水じゃねえし……。その上、いきなりおいときてる。アンタは一体何者なんだ?)
本当は……
胸がキュンキュンして、ドキドキが止まらない。
私はそれを悟られまいとして身構えた。
「あのー、勘違いしてません? 私清水じゃ」
私が言おうとしたらその人は指先を足元に向けた。
「そのピンクのバレーシューズは?」
私は自分の上履きを見て愕然とした。
「あっ……シミズ……」
私は自分の隣のシューズボックスから、清水にさんの上履きを間違えて履いてきてしまったのだった。
思わずカーっとなる。
まるで頭から湯気が出ると言うか……
顔から火が吹き出ると言うか………
(やべー、きっとちょう顔真っ赤!?)
私は慌てて下駄箱入れに戻った。
顔に手を当ててみると、熱を帯びていた。
でも幸いなことにまだ清水さんは来ていないようだった。
(やっぱり。やべーなー、どないしょー)
「はー。佐々木って言うんだ。俺は水野。教育実習生だ、宜しくな」
でも水野先生は普通に接してくれていた。