アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
学園祭当日。
私は階段の踊場の壁に、バザーの案内を貼っていた。
教室では、その準備にてんてこ舞い。
此処で登場のダンボール。
敷き詰めた上にカバーを掛け、商品を並べる。
私はお祖母ちゃんで貰った、母の実家製のバッグを提供した。
小さな化粧ポーチ。
大人の雑誌の付録に付いてくるような可愛らしい物だった。
後で聞いた話ですが、一番先に完売したようだ。
十個用意したのに……
やはり女子高生は可愛いい物には弱いらしい。
後日伯母に報告したら、物凄く喜んでくれた。
でも、感謝するのはコッチの方なのにと、受話器を置いてから思った。
一方テントの下のチョコバナナは……
炎天下でトロトロ……
「ん、もう最悪!」
私は本当に焦っていた。
チョコレートはお湯を沸して湯煎で溶かす。
そうしないと、滑らかにならないのだ。
そのお湯の熱が、バナナに付いたチョコレートを溶かしてしまったのだ。
ダンボールを貰ったスーパーに行って、こっそり持ち帰り氷を戴いて来ることにした。
悪いことだと解っている。
でも緊急事態だった。
自転車を漕いで五分も行くとお目当てのスーパー。
飲食には使用出来ません。
張り紙にはそう書かれていた。
アルミ製のバットの下にこの氷を並べ塩を混ぜる。
塩は氷を更に冷たくする効果があるのだ。
コレは私のアイデア。
何時か母がアイスクリームをこうして作ってくれたのを思い出したのだ。
その上にラップを被せてチョコバナナを置いた。
そうする事でやっと売れるチョコバナナらしき物が出来上がった。
勿論衛生面での配慮も欠かさなかった。
手には使い捨て手袋と、アルコール除菌。
清水さんが書いた看板を横に設置して、ようやく開店に間に合った。
「やったね!」
二人はハイタッチで喜びを表現していた。
私は階段の踊場の壁に、バザーの案内を貼っていた。
教室では、その準備にてんてこ舞い。
此処で登場のダンボール。
敷き詰めた上にカバーを掛け、商品を並べる。
私はお祖母ちゃんで貰った、母の実家製のバッグを提供した。
小さな化粧ポーチ。
大人の雑誌の付録に付いてくるような可愛らしい物だった。
後で聞いた話ですが、一番先に完売したようだ。
十個用意したのに……
やはり女子高生は可愛いい物には弱いらしい。
後日伯母に報告したら、物凄く喜んでくれた。
でも、感謝するのはコッチの方なのにと、受話器を置いてから思った。
一方テントの下のチョコバナナは……
炎天下でトロトロ……
「ん、もう最悪!」
私は本当に焦っていた。
チョコレートはお湯を沸して湯煎で溶かす。
そうしないと、滑らかにならないのだ。
そのお湯の熱が、バナナに付いたチョコレートを溶かしてしまったのだ。
ダンボールを貰ったスーパーに行って、こっそり持ち帰り氷を戴いて来ることにした。
悪いことだと解っている。
でも緊急事態だった。
自転車を漕いで五分も行くとお目当てのスーパー。
飲食には使用出来ません。
張り紙にはそう書かれていた。
アルミ製のバットの下にこの氷を並べ塩を混ぜる。
塩は氷を更に冷たくする効果があるのだ。
コレは私のアイデア。
何時か母がアイスクリームをこうして作ってくれたのを思い出したのだ。
その上にラップを被せてチョコバナナを置いた。
そうする事でやっと売れるチョコバナナらしき物が出来上がった。
勿論衛生面での配慮も欠かさなかった。
手には使い捨て手袋と、アルコール除菌。
清水さんが書いた看板を横に設置して、ようやく開店に間に合った。
「やったね!」
二人はハイタッチで喜びを表現していた。