アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
目の前をオスカルに扮した清水早智子さんが通る。
あの青いドレスを身に付けて……
(わー綺麗!!)
思わず見とれていた。
その時。
隣に居た清水さんが立ち上がった。
「お姉ちゃん、格好いい。綺麗だよ!!」
(えっー!?)
私は興奮していた。
(お姉ちゃんって言うことは……、清水早智子さんは水野先生のイトコ!?)
私の心はその途端に激しく波打っていた
。
「えっー!? つまり、水野先生のイトコなの?」
私は驚いた振りをして、清水さんに聞いた。
清水さんは頷いた。
「だから、安心してその恋まっしぐら!!」
清水さんは力強く、それでいて誰にも聞こえないように囁いた。
私は気になっていた。
ラブラブだと言う清水早智子先輩が。
所謂、嫉妬。
私もただの女だったのだ。
この地域は清水って名字が多かったんだ。
そう思っていた。
思い込んでいた。
(二人が姉妹……、水野先生のイトコ……)
私は何故か嬉しさの余りに泣いていた。
「実はね、水野先生は……って言うか水野さんは高校の時モデルだったのよ。これがその時の写真」
そう言いながら清水さんはモノクロの雑誌の切り抜きを見せてくれた。
「格好いい!!」
思わず叫んだら私に向かって清水さんはガッツポーズを取った。
それでも私は告白出来なかった。
「ネェ、アンタ。水野先生と随分親しそうだったけど、どんな関係?」
「私達の水野先生を取ったらタダじゃおかないよ」
そんなことを言いに、とっかえひっかえやって来る生徒達。
私は根を上げてしまったのだった。
後の数日が地獄になることが決まった。
清水さんのことを考えると、迂闊なことは出来ないと思ったんだ。
彼女は本当に怪我をしていたのだった。
それは、清水姉妹が水野先生のイトコだと知らない一部の生徒が、競技中ワザと足を出して転ばせたからだった。
それでも彼女は走ってくれたんだ。
私を守るために……
あの青いドレスを身に付けて……
(わー綺麗!!)
思わず見とれていた。
その時。
隣に居た清水さんが立ち上がった。
「お姉ちゃん、格好いい。綺麗だよ!!」
(えっー!?)
私は興奮していた。
(お姉ちゃんって言うことは……、清水早智子さんは水野先生のイトコ!?)
私の心はその途端に激しく波打っていた
。
「えっー!? つまり、水野先生のイトコなの?」
私は驚いた振りをして、清水さんに聞いた。
清水さんは頷いた。
「だから、安心してその恋まっしぐら!!」
清水さんは力強く、それでいて誰にも聞こえないように囁いた。
私は気になっていた。
ラブラブだと言う清水早智子先輩が。
所謂、嫉妬。
私もただの女だったのだ。
この地域は清水って名字が多かったんだ。
そう思っていた。
思い込んでいた。
(二人が姉妹……、水野先生のイトコ……)
私は何故か嬉しさの余りに泣いていた。
「実はね、水野先生は……って言うか水野さんは高校の時モデルだったのよ。これがその時の写真」
そう言いながら清水さんはモノクロの雑誌の切り抜きを見せてくれた。
「格好いい!!」
思わず叫んだら私に向かって清水さんはガッツポーズを取った。
それでも私は告白出来なかった。
「ネェ、アンタ。水野先生と随分親しそうだったけど、どんな関係?」
「私達の水野先生を取ったらタダじゃおかないよ」
そんなことを言いに、とっかえひっかえやって来る生徒達。
私は根を上げてしまったのだった。
後の数日が地獄になることが決まった。
清水さんのことを考えると、迂闊なことは出来ないと思ったんだ。
彼女は本当に怪我をしていたのだった。
それは、清水姉妹が水野先生のイトコだと知らない一部の生徒が、競技中ワザと足を出して転ばせたからだった。
それでも彼女は走ってくれたんだ。
私を守るために……