アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
三峰口駅で下車して、転車場まで行くことにした。
来る途中で見た景色が頭の中をよぎったからだった。
でもその前にSLの乗車券を購入することになった。
駅前にはバス停があった。
でもそれは西武秩父へ向かう方だった。
三峰神社行きは反対側の建物の中だった。
(三峰神社か……。何時か行きたいな)
私は何故かそんなことを考えていた。
三峰神社にはイザナギ・イザナミと言う夫婦の神様がいて、夫婦和合の象徴だと聞いていたからだった。
私は後少しで逢えなくなる水野先生を思っていたのだった。
それに三峰神社は今話題の、パワースポットなのだそうだ。
(先生……、大好きだよ。ずっと傍に居たいよ)
いつの間にか泣いていた。
叶わぬ恋の炎に身を焦がしながら。
転車場へ向かう道は長かった。
秩父線で実際に使用していた貨物列車が、道なりに展示してあった。
「懐かしいねー。こう言うの」
と、母は言っていたが。
(ごめん。私には解らない)
そう思った。
「うん、懐かしい」
それでも一応そう言っている自分がいた。
SLの前の部分だけが転車場にある。
流石にシルバーウイーンの最終日とあって、周りは人だかり。
何とか掻き分け、柵に近付いた。
「わあー、デカい!」
私は思わず声を上げた。
私の肩に温もりを感じる。
母の手だった。
私は母に寄り添った。
いつになく輝いているその瞳が嬉しくて。
来る途中で見た景色が頭の中をよぎったからだった。
でもその前にSLの乗車券を購入することになった。
駅前にはバス停があった。
でもそれは西武秩父へ向かう方だった。
三峰神社行きは反対側の建物の中だった。
(三峰神社か……。何時か行きたいな)
私は何故かそんなことを考えていた。
三峰神社にはイザナギ・イザナミと言う夫婦の神様がいて、夫婦和合の象徴だと聞いていたからだった。
私は後少しで逢えなくなる水野先生を思っていたのだった。
それに三峰神社は今話題の、パワースポットなのだそうだ。
(先生……、大好きだよ。ずっと傍に居たいよ)
いつの間にか泣いていた。
叶わぬ恋の炎に身を焦がしながら。
転車場へ向かう道は長かった。
秩父線で実際に使用していた貨物列車が、道なりに展示してあった。
「懐かしいねー。こう言うの」
と、母は言っていたが。
(ごめん。私には解らない)
そう思った。
「うん、懐かしい」
それでも一応そう言っている自分がいた。
SLの前の部分だけが転車場にある。
流石にシルバーウイーンの最終日とあって、周りは人だかり。
何とか掻き分け、柵に近付いた。
「わあー、デカい!」
私は思わず声を上げた。
私の肩に温もりを感じる。
母の手だった。
私は母に寄り添った。
いつになく輝いているその瞳が嬉しくて。