アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
「さっき三峰口におりたでしょう? 私あの時、何時か好きな人が出来たら三峰神社に行ってみたいなと思ったの」
私は、水野先生を思いながら思ったことを母に言ってみた。
でも……
母は急に泣き出した。
「彼処は駄目」
そう言いながら……
母は目にいっぱい涙を溜めた。
どうやら私は、触れてはいけない琴線を触ってしまったようだった。
「ごめんなさい」
私はただ誤った。
(もしかしたら?)
私は伯母の会話を思い出していた。
「三峰神社って夫婦和合の象徴だと聞いたの。それに、物凄いパワースポットなんだって。だから是非行ってみたいと思ったの」
私は戸惑いながら、言い訳をしていた。
「えっ、夫婦和合? そんなはずは……私達の時は違っていた」
母は……
遂に辛い恋を語り始めた。
母は二十四歳の時、二十歳だと言って近付いて来た人と恋に堕ちた。
『私より年下の男性をお義兄さんなんて呼べない』
どうやら叔母がそう言った人のようだ。
『今度二十歳になります』
そう言いながら、祖父に母との交際を願い出た。
でもその時その人は十八歳だったのだ。
それさえ知らず……
外国産のタバコを吸っていた人を大人だと思い、母は恋と言う猛火に呑み込まれていったのだった。
私は、水野先生を思いながら思ったことを母に言ってみた。
でも……
母は急に泣き出した。
「彼処は駄目」
そう言いながら……
母は目にいっぱい涙を溜めた。
どうやら私は、触れてはいけない琴線を触ってしまったようだった。
「ごめんなさい」
私はただ誤った。
(もしかしたら?)
私は伯母の会話を思い出していた。
「三峰神社って夫婦和合の象徴だと聞いたの。それに、物凄いパワースポットなんだって。だから是非行ってみたいと思ったの」
私は戸惑いながら、言い訳をしていた。
「えっ、夫婦和合? そんなはずは……私達の時は違っていた」
母は……
遂に辛い恋を語り始めた。
母は二十四歳の時、二十歳だと言って近付いて来た人と恋に堕ちた。
『私より年下の男性をお義兄さんなんて呼べない』
どうやら叔母がそう言った人のようだ。
『今度二十歳になります』
そう言いながら、祖父に母との交際を願い出た。
でもその時その人は十八歳だったのだ。
それさえ知らず……
外国産のタバコを吸っていた人を大人だと思い、母は恋と言う猛火に呑み込まれていったのだった。