アイ・哀しみのルーツ【いのりのうた・十五歳の系図】
清水さんのお父さんは、ずっと離島の中学で教鞭をとっていた。
その人は水野先生が渋谷で待ち合わせをしていた叔父さんだった。
私はその時の成り行きや、デカパネルに苦労したことなどを話した。
それが水野先生と……
水野先生が私を覚えてくれたきっかけになったのだから。
あの時私はオーデコロンの香りにときめいた。
あれがあったから私はより深く水野先生を愛したんだと思っていた。
清水さんから伝え聞く水野先生の噂。
本当なら、胸が焦がれて耐えられなくなるはずなのに……
私は何故か懐かしく聞いていた。
清水姉妹はずっと離島で生活をしていたと言う。
でも母方の両親の病気療養で本土に引き上げてきたと言う。
でも、本当の目的は外にあった。
清水さんのお姉さんの高校進学だったのだ。
「確かに祖父母は元気じゃなかったの。でもね。私達の顔を見た途端に物凄く元気になったの」
「あはは、もしかしたら騙された?」
私は不謹慎なことを言っていた。
「違うよ。きっと寂しかったんだよ」
清水さんはそう言いながら何処か遠くを見つめていた。
その離島には、今臨時教員が赴任していると言うことだった。
いずれは戻りたいと清水さんは言う。
でもそうなると寂しくなっちゃっうな。
私は見たこともないその離島へ思いを馳せていた。
その人は水野先生が渋谷で待ち合わせをしていた叔父さんだった。
私はその時の成り行きや、デカパネルに苦労したことなどを話した。
それが水野先生と……
水野先生が私を覚えてくれたきっかけになったのだから。
あの時私はオーデコロンの香りにときめいた。
あれがあったから私はより深く水野先生を愛したんだと思っていた。
清水さんから伝え聞く水野先生の噂。
本当なら、胸が焦がれて耐えられなくなるはずなのに……
私は何故か懐かしく聞いていた。
清水姉妹はずっと離島で生活をしていたと言う。
でも母方の両親の病気療養で本土に引き上げてきたと言う。
でも、本当の目的は外にあった。
清水さんのお姉さんの高校進学だったのだ。
「確かに祖父母は元気じゃなかったの。でもね。私達の顔を見た途端に物凄く元気になったの」
「あはは、もしかしたら騙された?」
私は不謹慎なことを言っていた。
「違うよ。きっと寂しかったんだよ」
清水さんはそう言いながら何処か遠くを見つめていた。
その離島には、今臨時教員が赴任していると言うことだった。
いずれは戻りたいと清水さんは言う。
でもそうなると寂しくなっちゃっうな。
私は見たこともないその離島へ思いを馳せていた。