ビター・スウィート



「どちらにしても、一回内海さんときちんと話したほうがいいんじゃないですかぁ」

「……うん、」

「案外、予想外の言葉が聞けるかも」



そう言って私の頭をぽんぽんと撫でてくれる細い指に、私は泣きつくように菜穂ちゃんに抱きついた。

いつもは怠そうで、今時の子って感じだけれど、いざという時は年下とは思えないくらいしっかりしているなぁ。

だけどその言葉の通り、逃げるばかりじゃなく一度きちんと落ち着いて彼の話を聞きたいとも思う。

この前も何か言おうとしていたみたいだし……。



臆病な私には、勇気のいることだけど。






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