ビター・スウィート
「ちー、大丈夫だった?」
「あ、はい!すみません、ありがとうございました」
「どういたしまして。資料探すの?手伝うよ」
けれどそんな内海さんの態度も特別気に留めることもなく、広瀬先輩は私のほうへと近付いてきた。
なに、いまの……。
今になって、心臓がバクバクしてきた。
あれ、広瀬先輩がこなかったら絶対キスしていたよね。ていうか、自分からキスしたいなんて思っちゃうなんて、私のスケベ……!!
「ちー?どうかした?」
「いっいえなにも!全然!!」
どうしよう。
触れた額が熱い。全身が、沸騰しそうなくらいドキドキしている。
違う、気のせい、今までそう否定してきたけれどもう誤魔化せない。隠せない。
触れたい、欲求の正体は自分の心の大きな変化。
内海さんが、好き。