専務が私を追ってくる!

2匹は辛うじて生きている。

いつどうなってもおかしくないという感じは、なんとなく伝わった。

心無しか、修の手も震えている。

こういう時、どうすればいいんだろう。

猫なんか飼ったことなくてわからない。

それは修も同じであるようだ。

「これ、絶対弱ってるよね。どうしよう」

「ネットで検索してみましょう。とりあえず、入ってください」

ここに越してきて以来、業者以外の人を中に入れたのは初めてだ。

猫を乾いたタオルにくるみ直し、適当な大きさの箱に入れ、修に飲み物も出さずに携帯で検索。

「このまま冷えないようにして、病院に連れて行った方がいいみたいです」

「そうしよう。一番近くの動物病院は?」

「今調べてます……あ、江森町内にありますよ」

「行こう!」

猫は私が抱え、修の車で病院へ。

東京でのことなど頭から完全に吹っ飛んでいた。

小さな2つの命を前に、気まずいだの何だの言ってられない。

「ぴー……」

一匹が小さく鳴いた。

「頑張れ! もうすぐ病院だからね」

頑張れ、頑張れ……!



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