専務が私を追ってくる!



翌朝。

朝6時のミルクの後、修はいったん自分の部屋に帰ったけれど、

「病院へは私が車で連れて行けますから大丈夫です」

という私の言葉を無視して、7時半頃うちに戻ってきた。

よっぽどミキとミカが気になるようだ。

出社前に二人で子猫たちを病院へ預け、そのまま修の車で会社へ。

「俺、時間が空いたら病院に様子見に行こうかな」

「そんなのズルいです。病院に行く暇があったら先週の領収書を早く出してください。私の仕事が終わりません」

「それに関してはほんとすんません」

猫のことは気になるが、仕事はしっかりやらねばならない。

できる限り早く終わるよう仕事をして、寄り道せずに真っ直ぐに帰宅。

それから自分の車に乗って、病院へ子猫を迎えに行く。

子猫にミルクを飲ませ、少し遊んで、遊び疲れて眠ったところで自分の夕食を作る。

2匹が赤ちゃんの間は夜中も起きて授乳しなければならなくて大変だけど、それ以上の癒し効果がある。

私はこれから、この子たちと3人で生きていく。

今までは自分一人で生きていくので精一杯だったから、立派に育てられる自信はない。

けれど、この子たちが私の心を浄化してくれている実感があるし、きっと大丈夫。

守るべきものがあると強くなれるって本当だ。

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